全国学テ

 今日は、全国学テが一斉に行われています。今年も、またこれが行われるのか、と思うと、なんともやりきれない思いになります。文部科学省がどのような考えでこのようなテストを継続しようとしているのか、そんなことは好きにすればいいと思っていますが、どこかで「うちの県(市町村)はこんなのやーめた」というところはないのだろうか、と考えてしまいます。

 結局、このテストのメリットはあるのか、大変疑問です。結果としての順位ばかりがマスコミに取り上げられ、脚光を浴びてきました。文科省も、県教委や市町村教委も、単純に順位を取り上げてやいのやいのと言わなくなってきてはいますが、それでも結果が出て、全国で何番目、全国平均と比べてこんな位置づけ、と言うのが突きつけられれば、やはり校長先生たちは心穏やかではないでしょう。

 すでにいろいろなところで話題にもなっていますが、この学テをするための練習問題を必死にやらせている学校もあるやに聞いています。かつて、県教委のあるお立場の方は、全県の校長会で「何でもいいから書かせて、空欄を作らせないでください」という話をしたことがあります。確かにそうでもしないと、全国比較で平均以上の正答率を確保するのはかなり厳しいことになります。

 かなりの国家予算を使い、全国の小・中学生を巻き込んで実施しているこの全国学テですが、いくらこのテストを実施して、結果を分析して各学校に返したとしても、このことが授業改善にはほとんど結びつきません。この前身の「教育課程実施状況調査」のときには、その目的が「次の学習指導要領改訂のため」という一応の目的がありました。そして、この全国学テが始まったときも、そのような目的意識はあったはずです。しかし、昨今は、なんとなく惰性でやっているような気がしないでもありません。

 いずれにしても、結果が出たとき、その結果の数値にばかり気をとられ、「うちの県は、全国平均よりも上だ、下だ」などというばかげた騒ぎにだけはなってほしくないと思います。