CRTテストに見える怖い話

昨日、塾のチラシ配布の準備を相棒としていたときの話です。

と、本題に入る前にきちんと私の大事な相棒を紹介しないといけませんね。彼女は、内田智美さん。5年生と1年生の二人の女の子のお母さん。ご主人は中学校の先生をされています。私が「みらい」の代表者で、智美さんが「Seeds」の代表者です。

その智美さんが、お友達から聞いた話として、そのお友達のお子さんが通っているある小学校5年生の、CRTの結果にまつわるお母さんや子供たちのことを聞かせてくれました。ちなみに、CRTとは、現在我が国で一般的に行われている「図書文化」という出版社が作成している標準学力検査です。これは、一年間を通して、一人一人の子供たちにどの程度の学習が身に付いたかを測るテストで、主に年度末に行います。もう一つNRTというものがあり、こちらは集団の学力を測ることを目的として作られていて、主に年度の初めに行います。市町村によって、どちらかを実施しているのですが、前橋市はかなり前からこのCRTを実施してきたようです。

さて、そのお母さんの話です。3学期の通知表と一緒にCRTの個人結果が返されて、子供も保護者も、その点数があまりに低くて(特に算数が・・)真っ青になったとのこと。その子供さん自身、これまで算数の単元末テストでは大体90点以上をとっていたので、愕然としたそうです。

実は、その子供さんのクラスでは、担任の先生が1学期途中で産休に入り、代わりの先生が来てくれたものの、2学期途中で体調を崩されて辞められ、新しい担任の先生に代わったのだそうです。そんなこともあり、子供たちは完全に落ち着きを失い、授業もなかなか集中できいなかったようなのです。

そして、最後のCRTの結果が、国語はもちろん特に算数が・・・という話なのです。

そのクラスのお母さんたち、そしてその話を聞いた智美さんも、『この子たちの算数は6年生になったらどうなるんだろう!?』と大変心配されている様子でした。

実は、以上は前置きです。この話を聞いての私なりの考えが今日の本題です。

結論から言うと、『算数のこと、そんなに心配しなくても大丈夫。心配なのは国語です。』が私の考えです。

5年生の算数は、確かに6年生の基礎になるような大事な単元があり、その5年生の内容が身に付いてないと言うことは、心配なことではあります。しかし、

これは算数に限らず社会や理科などでもいえることですが、小学校の教科書内容が身に付いてなくても、中学生になって十分に取り返せます。その文中学校に多少の負担は行くことになりますが、中学校の学習で小学校の内容を十分にカバーできるのです。ちなみ、小学校5年生の時に、全く分数の計算ができなかった子供が、中学校に行ったらいつの間にかできるようになっていた、という例はよくあることです。

だから、この学校の子供たちも6年生である程度しっかりとした担任の指導を受ければ
(あくまでも、しっかりとした指導力のある担任に出会えれば、という話ですが)、そんなに心配なく中学生になれます。
ところが、とても心配なのは国語力(教科としての国語の成績がどうか、ということではなく、もっと大きな言語能力・・・読解力や表現力です)です。クラスがそのような状況だったとすると、この子たちはじっくり教材の文章と向き合って言葉についてのリテラシーを高められずに一年間を過ごしてしまった可能性があります。小学校高学年は身体的にも大きく成長する時期ですが、精神的にも思考そのものも大人に近づくことは皆さんご存じの通りです。その思考や精神活動に大きく影響するのが言語の力です。その部分が5年生の一年間で十分に育たなかったとすると、後々に大きく影響します。この子供たちは、早急何らかの手をさしのべてあげる必要がるのですが・・・
 
この子たちを私の塾で学ばせてあげたいですね。私の塾でこそこの子たちは救われるように思うのですが、その学校に行ってPRするわけにはいかないので、遠くから応援だけすることにします。